不妊症といえば昔から女性の病気だと考えられてきました。
しかし、その原因の40%は男性側にもある、ということがわかってきました。
ですから、赤ちゃんができないからといって一人で悩まないで、少し軽い気持ちでまず当院へお越し下さい。 スタッフ一同、きめ細かいカウンセリングを大切に、心をこめてお手伝いしたいと願っています。当院では、不妊治療のための検査で、次のようなことを行っています。

  1. ホルモン検査(採血)
  2. 子宮卵管造影(レントゲン)
  3. フーナーテスト(頸管粘液による夫婦の相性検査)
  4. 通気検査、通水治療(卵管がつまっていないかを調べる)
  5. 精液検査(男性)
  6. 人工授精[AIH]
  7. 体外受精[IVF]、顕微授精[ICSI]
  8. 凍結保存(胚、精子)
  9. Assisted Hatching


人工授精 体外授精 顕微授精 受精卵の凍結 Assisted Hatching



精子の運動率が自然妊娠に厳しい場合や、フーナーテストの異常の場合に行います。まず、排卵予定日に御主人の精液を容器に提出していただき、パーコール液という液体を使って運動良好な精子を集めます。それを、子宮腔内に細いチューブを用いて挿入し、約20分休んで帰っていただきます。
※ただし、精子の調整には約40分かかります(精子の状態により時間は前後します)。妊娠率は約15~25%です。



(6)の人工授精で、精子を子宮に戻すのに対し、体外受精では 卵巣から卵を採り、体外で精子と受精させ、受精した卵子を子宮に戻します。

  1. 月経3日目より、卵胞刺激ホルモンの注射をつづけ、たくさんの卵胞を発育させます。
  2. 月経7日目頃より、超音波、尿、血液検査などで排卵の時期を予想します。
  3. 卵胞径が20(mm)位になった時点で(個人差があります)HCGの注射に切りかえます。この注射は排卵を引き起こす注射です。
  4. HCG注射後、約36時間後に排卵がおこりますから、35時間後に経膣超音波下に採卵を行います。
  5. その4~6時間後に調整した精子を卵にかけ合わせます。(媒精)
  6. 翌日受精し、3日目に分割していることが確認できたら胚移植(受精卵を子宮に戻す)をします。
  7. 採卵後2週間目に妊娠の判定をします。妊娠率は大体20%前後です。




倒立顕微鏡下マイクロマニピュレーターを用いてX400の倍率のもと行う

卵子と精子を体外に取り出して、倒立顕微鏡操作下で受精をはかる方法を顕微授精と呼びます。
極細の針(精子注入用ピペット)に不動化した精子を一個だけ吸引して、一個の卵の卵細胞質内に直接注入する卵細胞質内精子注入法(ICSI:Intracytoplasmic sperm injection)です。
ICSI(卵細胞質内精子注入法)は、自然受精が極めて難しい男性不妊症例(乏精子症、精子無力症、精子の奇形等)や原因不明不妊症例、体外受精(IVF)を繰り返しても妊娠しない場合において有効です。
また、ICSIでできた赤ちゃんに染色体異常や奇形が発生する頻度は、自然妊娠での頻度と差がないと報告されています。



超急速ガラス化凍結法(vitrification)

当院での胚の凍結法は超急速ガラス化法を行っています。ガラス化凍結法は短時間に一気に急速凍結を行う方法です。培養3日目の6~9分割胚や、培養5~6日目の胚盤胞に対して行っています。
胚の細胞が壊れないように凍結保護剤を使って行われ、凍結した胚は-196℃の液体窒素の中に保存されます。
その後、別の周期に、凍結した胚を融解し、胚移植を行います。


hatching
孵化
通常、受精した胚は分割をし、胚盤胞になり、 透明帯から脱出(ハッチング)して子宮内膜に着床します。

PZD法
mechanical partial
zona dissection
機械的透明帯開孔法

Assisted Hatchingは、透明帯の一部を開孔して着床率の向上をはかる方法です。 当院ではPZD法を行っています。