住職法話集
自分さえ良ければいい
知り合いのある和尚さんが、以前言っていました。
「『自分さえ良ければいい』という気持ちは、あまり頭をもたげませんが、台風だけは別のようです。自分の住んでいるところとか日本をそれますと、やはり安堵の感を抱いてしまうのが正直な気持ちです。
同じ命をいただいて、同じ地球に生きているという視点から考えるにはどうしたら良いのでしょうか。」
私(住職)自身の課題でもあります。
このたびの大震災でも同じこと。東北の方の地震でうちの方は揺れなくて良かった、この辺は瀬戸内だからあまり大きな津波なんか来ないだろう、近くに原発が無くて良かった…ついついそんな事を思ってしまいます。
本山・妙心寺のホームページにこんなお話が紹介されていました。
昔、コーサラ国のバセナーディ王とそのお妃であるマリッカ夫人がいました。マリッカ夫人はお釈迦様に深く帰依する、とても敬虔な仏教徒でした。
ある日、バセナーディ王はマリッカ夫人に尋ねました。
「愛するマリッカよ、私は、この世で、わたし自身が、誰よりも、そなたよりも愛しいと思うのだが、お釈迦様の教えではどうであろうか?」と。
王妃はお答えになりました。
「王様、そのとおりでございます。この世では自分自身よりも愛しいものはありません。私もそう思います。」と。
そして二人はお釈迦様をお訪ねしこのことをお話ししました。お釈迦様は、二人の話を静かに聞かれ深くうなずかれてからお示しになられました。
「人の思いはいずこへも行くことができる。
されど、いずこにおもむこうとも、自分より愛しいものを見いだすことはできない。
そのように、他の人々も、自分のことはこの上なく愛しいものである。
されば、自分を愛しく思うことを知るものは、他のものをも愛しまねばならない。」と。
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