お膳とお花
法事にお参りさせてもらって、段飾りの前で(大抵みんなで…)お勤めをします。 その時になんと言っても目に入るのがお膳です。時々そのお膳のお箸が手前にあることがあります。そんな時は、お膳を反対向きにしてください、と言って直してもらいます。それからお勤めをはじめるわけです。
お膳はむこう向き、つまりご先祖様、本尊様にむけてお供えをします。でもすべてがむこう向きでよいかというと、そうではなくて、お花はこちら、つまりお膳とは反対向きなのです。お膳の向きの理屈からいえば、全部むこう向きが正しいんじゃないか、なんていう人がいますがそうではなくて、お膳とお花は逆向きなんだ、と覚えておきましょう。
法事のことを別の言い方で『ご回向(えこう)』と言うのをご存じでしょうか。『ご回向』は『ぐるりと回って(反対の方向に)向ける、という意味です。つまり『法事をする』ということには、こちらからご先祖に向かって一心に拝む、といういわば一方通行ではなく、最終的にはそれがぐるりと回って方向転換し、亡き人やご先祖様が見守ってくれる、導いてくれるんだ、ということです。『法事』にはそういう意味合いがあります。
こちらから向こうに向かって一心に拝む、そういったことすべての象徴が、向こう向きのお膳、そして見守ってもらうということや導いてもらうことの象徴が、こちら向きの花なんだ、と紹介させてもらってます。