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易しい仏教講座

第6回 天国と地獄

我々の先輩の中でもっとも有名なお坊さんの一人に、江戸時代の白隠(はくいん)という方がいらっしゃいます。白隠禅師(はくいんぜんじ)は幼い頃、お寺で恐ろしい地獄の話を聞かされてそれが頭の中から離れなかった。死んだ後地獄に落ちないようにするためには自分はいったいどうすれば良いかと苦しみ抜いて、禅の修行にはいりそれを立派に成し遂げられた、ということです。

ところが現代の人々、とくに若い人達にそんな事をいっても、白隠禅師と同じ様に純粋な心を持って、自分が死んだ後地獄に落ちないように今頑張ろう、などと考えてくれる人はまずいない。生きている今のうちにせいぜい楽しまなくちゃと考えます。私自身もどちらかといえば、その仲間です。

でも、果たして天国とか地獄というのは死んでしまった後の事でしょうか。たとえば、みんなから尊敬される『いわゆる』とても偉い方だった人が、あるときからは非難の集中放火を浴びせられる立場になってしまうなんてことが現代でもよくあります。そんなときには、ご当人たちの立場になってみれば、天国から地獄へとまっさかさまに落ちてしまったと感じているのではないでしょうか。

死んだ後、天国や地獄やまた虫けらに生まれ変わるのかも知れません。けれどもよく分からないのです。なにしろ誰も、死んだ事がありませんから。

でもどうやら自分たちが今生きているこの世界の中に、天国や地獄がありそうだなあ、というのはなんとなく分かります。

大事な事は、それらが人ごとではない、ということです。自分のちょっとした心の持ち様によって、まわりの世界が天国にもなり地獄にもなるのだ、と気付くことです。