第13回 六度(ろくど・六つの渡し舟)
仏教(釈迦の教え)を簡単に言えば、悩み苦しみの満ちたこちらの岸(此岸・しがん)から安らぎの向こう岸(彼岸・ひがん)に渡ろう…ということになります(六度の度は渡と同じ、わたすの意味です)。
インドの人々
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仏教の生まれ故郷であるインドでは、一般的に川幅が非常に広いのです。こちらの岸辺に立って見ても向こう岸を見る事ができないくらいです。
そして今の日本では想像がつかないほど、その頃の一般民衆の生活は苦しくつらいものでした。もちろん精神的な苦しみ、つらさ、ということに目を向けるならば昔のインドも現在の日本もそれほど変わらないかもしれませんが、向こう岸(彼岸…ひがん・かの岸)に素晴らしいところ、ユートピアがあるに違いないという向こう岸へのあこがれは、見えないだけにずっと強かったにちがいありません。仏教の、此岸と彼岸という考え方の根底にはそんなことがあるのです。
さてこちらの岸から向こうの岸へわたるためには、渡し舟に乗らなければなりません(便利ですぐに渡れる橋は有りません)。その六つの渡し舟が六度(または六波羅蜜・ろくはらみつ)です。その六つとは
布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)です。一つ一つをごく簡単に説明します。
- 布施…あまねくほどこしをする事。
- 持戒…きまりをまもる事。
- 忍辱…苦しい事に耐え忍ぶ事。
- 精進…頑張る事。
- 禅定…静かな心を保つ事。
- 智慧…布施~禅定の五つを実践する事によって出てくる考えの事。