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久昌通信

平成十九年七月号

久昌通信138号おもて

梅干の歌

梅雨入りはしたものの、それほど雨は降りません。このあたりでは、なんとか無事に田植ができましたが、四国のほうの水不足はどうなるのでしょうか?
このまま雨が降らないと7月半ばには水がめのダムの貯水率が0パーセントになってしまうそうです。

 ちなみに梅雨(ばいう)は中国由来の言葉であり、揚子江流域で、梅の実が熟す頃に降る雨なので梅雨といわれた、ということです。
『つゆ』という言い方は江戸時代からです。

 今年久昌寺では、梅の実が大豊作です。数本ある梅の木には、例年に増して大ぶりの実(スモモの実ほどもあります)がなり、大きなビニール袋に2袋ほど・バケツなら3杯分ほどにもなりました(もちろん妻が採ったのですが)。
おすそ分けしたり親戚の人に託したり・・・。
また、食品として、焼酎につけたり酢につけたり…、でもなんといっても梅干(うめぼし)』にするのが一番多いし、そうされるのを梅の実自身も一番望んでいるのかも知れません。
明治時代に教科書に載ったという『梅干の歌』の歌詞を見ていてそんな気になりました。

梅干になる梅の実から見た1年間です。とても面白い詩ですが、ちょっと悲しい詩でもあります・・・。

うめぼしのうた

二月三月花ざかり うぐひす鳴いた春の日の
たのしい時もゆめのうち
五月六月実がなれば 枝からふるひおとされて 
きんじょの町へ持出され 何升何合はかり売
もとよりすっぱいこのからだ
しほにつかってからくなり しそにそまって赤くなり
七月八月あついころ 三日三ばんの土用ぼし
思へばつらいことばかり
それもよのため人のため しわはよってもわかい気で
小さい君らのなかま入 うんどう会にもついて行く
ましていくさのその時は なくてはならぬこのわたし
九月・十月秋の日々 山はもみじやかえでが色づいて
里の庭々秋の声 ふたたび仲間は おにぎりやシソに
巻かれて旅に出る  わたしはさびしく樽の中
十一月・十二この月に 山には雪がちらちらと
里には木枯らし吹き荒れて 庭では
ペッタンペッタン餅をつき 樽の中ではブルブルと
私はふるえて年を越し
正月元旦年明けて 書き初め 羽根つき  コマまわし
家で家族が笑顔で雑煮たべ 梅のつぼみがふくらんで
花の香りを待ちながら 私は樽の中より おめでとう


久昌通信138号うら

潤 滑 油

 6月の第3日曜は父の日でした。
以前も少し触れた事がありますが、5月の母の日に比べると父の日は影が薄いようです。
母の日、父の日の発祥地であるアメリカではどうなのでしょう。
一説によれば5月第2日曜の『母の日』のために費やされるプレゼントの額は、クリスマスプレゼントに費やされる金額を上回るそうですから、父の日が母の日より影が薄いのは洋の東西を問わないように思います。

ところで母の日のシンボルフラワーはカーネーション、父の日はバラ。お花の値段だけは、どうやら『父の日』に軍配が上がりそうです。

 ところで今はやっていないようですが、前はテレビでこんなCM(CMとはコマーシャル・メッセージの頭文字です)をやっていました。
『…ハウス』という家のメーカーのCMでした。
壮年の男性がメロディーにのせて歌っています、「もしもわたしが建て替えるなら・・・妻が喜ぶ家」。
別の時に同じ会社のCMを見ました。
今度は女性が歌っています、「もしもわたしが建て替えるなら・・・子供が元気な家」。
おいおい、『妻が喜ぶ家』と『子供が元気な家』しかないのか?と、思わず叫びそうになってしまいましたが、『夫が元気で喜ぶ家』はないのでしょうか?
私はそのパターンのCMは見たことがありません(どなたか見られた人はぜひ教えてください)。

昭和20年頃まで存在していた、家の中で一番えらいのは父親、という家長制度の中で、またはその名残が濃い中で育てられてきた日本の男性は、頭の中をガラリと変える必要がありそうです。

 ご存知の方も多いと思いますが、ある保険会社が、毎年サラリーマン川柳を募集してその人気投票のコンテストをやっています。
言うまでもなく、サラリーマンの多くを占める父親達へのメッセージです。
6月の父の日に間に合わせるよう、5月に集計結果が発表されるのが恒例のようです。
人気投票の第一位に選ばれたのが

脳年齢 年金すでに もらえます

33歳の人が作った川柳だというのがミソ、ゲーム機で計れる脳年齢ではとっくに年金がもらえる年齢に達している、という事です。
昨今の年金問題のニュースを見ていると、年金がまともにもらえるかナ、という疑問も浮かびますが・・・。第2位の川柳はごくわかり易いです。

このオレに あたたかいのは 便座だけ

特に冬の朝の、便座が暖かいのは本当にうれしいものですが、家庭の中で暖かいのがそれだけ、となるとあまりに悲しくなります。
こんな風に我々やサラリーマン達の心が一層わびしくなってゆくような川柳が多い中で素晴らしい川柳が5位に選ばれました。

「ありがとう」 そのひとことが 潤滑油(じゅんかつゆ)

気持がうきうきする様な、そして心に深く刻んでおきたい川柳です。
日本曹洞宗の開祖である道元(どうげん)禅師が残された「愛語、よく回天の力あり」の言葉があります。その意味は「(ありがとうなどの)思いやりのこもった優しいことばは、衰えを回復させ再び勢い付かせる力がある」という事です。

5位の次の6位の川柳はまた悲しい句です。

忘れぬよう メモした紙を また捜す

この川柳も忘れられませんね、男性に限りませんけど…。