「深山の四季」で安らぐ
 本紙玉野圏版に毎週日曜日に連載掲載していた玉野市・深山公園の花木、草花を紹介した「深山の四季」が十月末で終わりました。深山公園には、約七千本の桜をはじめ梅、ツバキ、ツツジ、モミジなど四季を彩る三百種を超す約十五万本の植物が植えられています。この中から家庭でも栽培しやすいものを選び、同公園を管理、運営する同市公園緑化協会の技術員、岡秀雄さん(30)に、昨年四月から執筆していただいた。約八十回にも上るロングラン掲載で、初回の「ソメイヨシノ」から最終回の「やすら木」まで、花言葉が添えられ、毎回楽しませてくれました。「やすら木」とは、もちろん岡さんの造語。「深山公園を愛する人のみに見える木で、四季を問わず花が咲いています」と記し、花言葉は「また来てください」と軽妙な文章で締めくくっていただいた。岡さんの文を引き立てたのが、連載を一緒に手掛けた玉野支社の千北由紀子記者のカラー写真。小さな花を撮影するためマクロレンズまで自費で購入する念の入れようで、週末には重い三脚を手に楽しそうに深山に出かけました。二月七日掲載の「コクマザサ」などはあえて雪の日を選んで撮影した、という。葉の緑が白く枯れたササの緑と黒い石の上に積もった雪の白さが見事なコントラストを描き、墨絵のような出来栄えでした。「獣道のようなところに入り込み、何時間も歩き回ったり、すり傷だらけになったことなど苦労したが、いい思い出になりました」と、同記者は連載終了が残念そうです。広さは岡山市の後楽園の約十倍、二百fの深山公園は、これから紅葉も見事です。一度訪ねてください。         (玉野支部・本多 薫)