お礼SS第1弾 nontitle (若反)
飲み過ぎ
そう言って取り上げられたグラスを、予想外にフラフラしてる視線で追う。
まだ残ってるのに
怨みがましく呟いてみたけれど、結局グラスは1番離れた位置に置かれてしまう。
取り返すコトも考えたけれど腕を伸ばすのも億劫で。
残ってるのに
もう一度呟いていまだにフラつく視界をそれでもなんとか彼に固定して。
ジトーッと上目使いで見てみるも効果は皆無。
珍しいな
返ってきたのは僅かに楽しそうな響きが含まれた、そんな言葉で。
なにがぁ?
けれどソレに対する答えは与えられず。
代わりにあやすようにその手が前髪を優しく梳く。
今日は大人しくもう寝ろ
なんでぇ?
その言葉にもやはり返ってくる答えはなく。
ふわりと視界が高くなる。
嬉しくなってその首に腕を巻き付けると。
この酔っ払い
そんな声が耳をくすぐる。
酔ってなんかないと反論すると、はいはいと短い言葉で一蹴された。
クスクスと零れ落ちる笑みを止められずにいる内に、ふわりと柔らかな感触に包まれる。
そして、お休み、の一言。
ケチ、そう呟くと。
小さく笑って、次の瞬間には心得たような温もりに包まれた。
ふふふ
思わず零れた笑みをごまかすように、その胸元に頬を擦り寄せて、お休みと呟けば。
お休み、酔っ払い
からかうような声音のその答えに。
ああやっぱりバレてるんだろうなぁなんて思いながら。
それでも解ってのってくれてるのだろう恋人の胸元で、幸せな気持ちで目を閉じた。
お休み、いい夢を
眠りに落ちていく意識の隅で。
優しい声音が聞こえたような気がした。
初めてのweb拍手用の小噺で、ど〜しようかなぁと悩んだ覚えが(笑)
で、なぜか記念すべき(?)初めてのお礼小噺が……若反(笑)
ええもう、如実に。愛の傾きが……f(^^;
いや一樹ちゃんが書きやすいってのが1番の理由なんですが。